『セブン』のエンドクレジット

 映画『セブン』についての荒木飛呂彦評が面白かったので引用。

極めつけはエンド・クレジットで、普通はクレジットの名前が下から上に流れるのに、この映画では上から下に流れてくる。もっと言えば、上から落ちてくる。つまりそれは名前が書かれた全員が下に落ちる、地獄に墜ちるということで、誰もが「七つの大罪」を犯していることを暗示しています。

-荒木飛呂彦荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論』

不条理だのなんだの言われている『セブン』は完璧な映画の1つだと思っていて、あの映画の主役はブラッドピットでもジョンドゥでもなく七つの大罪を踏襲する犯罪、つまり題の通り「セブン」なんですね。犯罪の始まりから終わりまでを完璧に表現した作品で、最後の罪である「怒り」が登場して物語は幕を閉じる。若き刑事の今後など関係無い。不条理だとするのなら、大罪を見せつけてくる「犯罪」自体が不条理なのでしょう。はたまた罪を犯してしまう我々「人間」が。