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狼の脚は兎よりも遅い。だから彼らは群れをなす。

「一匹狼」という言葉がある。
しかし狼は群れで仲間の為に生き、一夫一妻の生き物だ。
狼は、歳をとり仲間の足でまといとなる老体になると自ら群れを抜ける。
雪の中ただ孤独に死を待つ存在になって、始めて狼は「一匹狼」となる。


「一匹狼」は、その時なにを想うのだろう?

狼のような美しい生き物になりたい。
仲間の為に生き、果ては充足に満ちた「一匹狼」に。