『リアルスティール』は人間の強さを訴えてるぜ!


 『リアルスティール』、ハートフルな映画だった。スペクタクルよりもハート*1。その優先順位の結果「スペクタクルかつハートフル」、れっきとしたディズニー映画だ。

 (※ネタバレ)ハートフルということで、「そもそも...」という突込みどころはスルーして爽快感を得るつくりですが、あの結末は「人間のつよさ」を証明しようとしているのかなあと思った。
 「前々世代のアトムが最新鋭のゼウスに勝てるわけねーだろ!」が最も大きなツッコミどころですが、ゼウスというのは「闘いながら相手のデータを読んでリアルタイムで成長してゆく」ロボット。そのアナライズが最新鋭だからロボット界の王者。対するアトムは「スパーリング用」のロボット。相手を倒すことが目的の戦闘ロボットと相手を捌くことが目的のスパーリングロボットは行動パターンが異なるので、序盤ラウンドでゼウスはアトムに苦戦したのでしょう。でもきっと、スパーリングのままだったら成長しゆくゼウスに負けていた。なぜアトムは引き分けまで善戦したのか?それはアトムがシャドウ機能を持っていたから、つまりヒュー・ジャックマンがリアルタイムで闘ったからだと思っている。人間の動作は人間の感情によるもので、ロボットのような効率性のみで選択をする行動パターンではない。相手は効率性なんてクソくらえな動物・人間だ。その中でも無鉄砲な奴だ。対・「効率性を選択する相手」を前提につくられたゼウスはヒュー・ジャックマンの動きが予測できず、(ほぼ)敗れた。「人間のボクシングが求められなくなった」ロボット対戦全盛期の世界観ですが、逆説的に人間を尊んでいる物語だと感じた。判定では、敗けてますが。