AKB48は「トゥルーマン・ショー」か?
- 出版社/メーカー: パラマウント ジャパン
- 発売日: 2006/04/21
- メディア: DVD
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非常に悪趣味なショーもあったもんだっておはなしですけど、映画を見ていくうちにAKB48プロジェクトを思い出した。AKBってプロデューサーの秋元康が凄く巧くて、プロジェクトがドキュメンタリー化している。「AKBは2.5次元」って言葉はあながち冗談ではなくて、現実を1つの物語のように"補修"して世の中に提供しているのが秋元康。AKBのサプライズってメンバーにとってはガチだと思うんですね、メンバーはあんまり演技うまくないから。嘘をつくとバレる笑*1。企画自体にヤラセがあったとしても、その企画の"役者"であるアイドルは本気で受け止めて本気でやっている。サプライズや競争主義は少女たちを"本気にさせる"枠組みに過ぎない。本気ってものは、人を魅了する。思うに、AKBのファンはアイドルが本気になっている姿に魅了されている。
[画像:サプライズ発表(じゃんけん選抜)に驚く篠田麻里子・前田敦子・高橋みなみ]
『トゥルーマンショー』のプロデューサーは主人公に向かって、こんなことを言う。「周りは全て偽物 だが 君 は本物だ」。「外の世界より"真実"があるのは私が造った世界」。無実の人間を拘束し騙した上で成り立つエンタテイメント・「トゥルーマンショー」に対し、一切の罪悪感を感じずわきたつ人々を見て不快に思うだろうか。しかし、AKBというプロジェクトに揺り動かされる少女たちを見て心を踊らせる自分も、同じようなものなのかしれない(大きく違うのは、監視対象が自らカメラの前に立つことを選んでいるということ)。「徹底したリアリティ」。
[画像:AKBのコンサートを楽しむファン]
「この番組に嘘はないんだ。ただ操作されているだけさ」
−『トゥルーマン・ショー』より
(余談)『トゥルーマンショー』、番組の総プロデューサーであり、主人公の人生の生みの親であるエド・ハリスの演技がとてもよかった。神経症なのかと思うくらい1つ1つの動作が細かい。生まれた頃から人生を操作してきた相手に狂気的な親心を持っている。秋元康はどうなんだろう笑。
(余談2)1人の人間の人間性を犠牲にしたTV番組「トゥルーマンショー」に、生きる希望を貰っていた視聴者もいただろうというレビュー。感慨深い CinemaScape/Comment: トゥルーマン・ショー