文章の道筋を立てる際には書くべし 「長期記憶」と「作業記憶」


 一貫した流れを持つ文を書く場合、まず紙に情報を書きだし骨組みをつくった方が良い。人間の記憶には「長期記憶」と「作業記憶」がある。

「長期記憶」:沢山の情報を閉まっておく場所。必要に応じて人間は長期記憶から情報を引き出すが、記憶が呼び出されない限り閉まわれている情報は意識に上がらない。
「作業記憶」:「情報の一時的保持」と「その情報の処理」を同時に行える記憶領域。物事を考える時に使う。この作業記憶の要領はとても小さい。情報保持に特化してもせいぜい情報量は7個(7単語・7数字)。情報保持と情報処理を同時に行うとその要領は更に減退する。

 作業記憶の要領が少ないので、人間は沢山の情報を「一どきに」操って物を考えることが出来ない。2桁×1桁の暗算は出来ても2桁×2桁の暗算は中々難しいでしょう。一貫した流れを持つ文章を書く場合、それに用いる全ての情報...少なくとも7個以上の情報を一どきに頭の中(作業記憶領域)で操り、全体の整合性・統合性を確かめることを我々人間はできないってわけです。大きな流れを創りだす際にも少しずつ情報を小出しにして考えてゆく。そこで何をするかって言うと「見える形にする」ことだ。PCになりルーズリーフなりに情報やアイディアを連ね、道筋を書き記せば良い。それを見て考える。全体の論理の流れを確かめるには頭の中で考え直接吟味するのでなく、見える形にし、それを使って(視覚に捉えて)咀嚼を重ねる。てことでレポートや論文書く際にはその骨組みを実際に書くことが大事。「書くことは考える事」。
 画像はMOLESKINリポーターのラージ。頭に浮かんだアイディアや道筋をメモしておくのに最適。定番のポケットサイズ・ノートは流れを書くには少し小さすぎる。値は張るけれど耐久性が他と比べて抜群。(http://www.moleskine.co.jp/Online-Shop/Reporter/moleskine-softreporter-ruled-large

*参考文献:酒井聡樹『これからレポート・卒論を書く若者のために』 ほぼ丸写し。名著。