キリスト教の信仰と罪

 17世紀ヨーロッパの100の職業を紹介する『Menselk Bedryf』という本で最初に登場するのは「パン屋」なんだけど、これはイエスキリストの肉体の象徴がパンだったことに基づく。そしてその次に登場するのが「仕立て屋」。オーダーメイドの服屋でしょう。キリスト教での「衣服」とは、知の象徴であり、人間が犯した罪の証。(人間は最初知性を持っていなかったから全裸で生活していたが、神の教えを破って知恵の実を食べてしまったが故に羞恥心が生まれその身を葉で覆い、神の楽園を追放され現世に来た)。つまり、衣服を纏うこととは人間が犯した罪の象徴なのだ。神への信仰の次に人間の罪が来るのは面白いですねという話。

「ああ人の子よ、極上の布を用いよ。この世の暮らしに欠かせぬ布、されど布も肉もともに擦り切れる。それゆえにこそわれらは、心から仰ぎ見るのだ、われらを永遠に包みたもう、御国の布と神々しき布を」