山中俊治『デザインの骨格』

デザインの骨格

デザインの骨格

 プロダクト・デザイナー山中俊治のブログ山中俊治の「デザインの骨格」の書籍化、なので内容説明はするまでもないんですけど、印象に残ったのが20世紀最高のデザインとして飛行機・「ボーイング747」をあげていること。その理由は、「ボーイング747」にはデザイナーが関わっていないから。「ボーイング747」の美は、"技術者が機能を追求した挙句うまれた機能美"であり、だからこそ20世紀デザイン史上の傑作と認めざるをえない、とデザイナーの著者が言い切ってしまっている。「デザイナーが消滅しているデザイン」を「最高のデザイン」と讚えるデザイナー・山中俊治。現実的には、技術者たちが各々機能を追求してプロダクトを作ったとしても、それらのデザインには美醜の差がついてしまうのでデザイナーって職業の必要性は無くならないんですけど、至高とするものが自分の消失って面白いと思いました。

(via山中俊治の「デザインの骨格」 » ジャンボに込められた美意識


 面白いと思ったことを3つ書き出し。
 ・標高をチェックすると、「渋谷」は「青山」と「代官山」という2つの"山"に囲まれた"谷"ということがわかる
(via山中俊治の「デザインの骨格」 » 高低差)
 ・ミニカーは実車の縮尺ではない。もとの車の寸法比のまま小さくするとスケール感がまったく違った物になる。同じように、乗用車をつくる時、まずスケールモデルを作ってそれを拡大し実物大にするが、その時またデザインをしなおす。
(via山中俊治の「デザインの骨格」 » ミニカーは実車の縮小ではない)
・『鉄腕アトム』のアトムは、最初はロボットではなく超能力者の設定だった。
(via山中俊治の「デザインの骨格」 » 浦沢直樹さんのPLUTO
)


 しかし、山中さんのブログは常日頃チェックしてるんですけど、PCよりも書籍って形態のほうが全然読みやすい。iPadとかだとまた違うんだろうなあ。