常に100%でいられない人間の目標設定

 目標は、「達成したい点」よりも少し上に設定する。
常に100%の力を対象に注げる訳じゃないから。


 例えば高校生が数学で90点がとりたい。

・1日数学テキスト3ページをこなして(ノルマ)
・90点をとる(目的)

という目標を設定したとする。ここで多くの人間がぶつかる壁は「数学テキストの難易度」ではない。「数学テキスト3ページを毎日こなすことの難しさ」である。多くの高校生には友がおり、恋人を欲する心があり、数学以外の趣味や目標がある。友達と遊ぶ夜、TDLにデートしに行く日。そのような時に果たして「いつも通り」に、「100%」、テキスト3ページをこなせるだろうか?その日だけ…、1ページしか解かないかもしれない。解答を見て納得し、答えを導く力をつけぬ内にテキストを綴じるかもしれない。

 "ノルマ"="標準作業量"である。名前の通り標準に過ぎず、"主体者が作業を100%継続すること"を前提に含んでいる。しかし…主体者の対象に対する熱意が日々変動するとどうなるだろうか?

・1日数学テキスト3ページをこなして(ノルマ)
・90点をとる(目的)

という目標設定の場合。ノルマを100%継続させることが出来ない人間は、…—振り返ってみればノルマの80%程度の力しか対象に注げなかった人間は、結局70点の答案しか貰えない。*90x0.8=72

 常に100%でいられない人間は90点はとれないのか?そうではない。「目標点」を実際の目的より更に高くすればいいのだ。「常に100%を出して120点をとる」、こう設定し直せば良い。そうしたら80%の努力しかしなくとも、96点がとれる。*120x0.8=96
 目的を高くするとノルマも変動する。1日に数学テキスト5ページを課してくるかもしれない。テキスト3ページなら精々1時間で終わるものの、5ページともなると1日2時間食うかもしれない。1ヶ月続けた場合、単純計算で60時間を数学のために消費する。果たして本当にその目標点は自分にメリットを与えるか?数学の90点に60時間の価値はあるのか?これを見極めるトレードオフ・シンキングも大事。ノルマを決定したあと改めて目標点を見、二律背反を考えよう。

・1日数学テキスト5ページをこなして(ノルマ)
・120点をとる(目的)
〜この100%は貴方にとって有益?〜


 限界の2,3歩先の課題を自分に課すときっと進める。ちなみに、現状維持は基本的に後退しか生めない。きっと。(周囲の環境が変化するから、ただ立ち止まっているだけだと取り残されてしまう!)