上遠野浩平『恥知らずのパープルヘイズ』
- 作者: 上遠野浩平,荒木飛呂彦
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2011/09/16
- メディア: 単行本
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―「勇気を知らないという点で君は、賢い人間の血を吸おうと噛みついて叩き潰されるノミにも等しい」
託された人間の覚悟について。我々は"託され続けて"いる。失いゆく中、何を託せるか?5部および4部ファンなら読んで損は無いと思う。少し泣いた。元から5部ではフーゴが好きなんだけど、新出キャラではムーロロが好きですね。(※ちょっとネタバレ)マッシモ・ヴォルペに関しては少し消化不良。彼は何故あそこで咆哮したのか。ジョルノの描写に関しては、エクスペリエンス発動後(スタンドは主の精神の変化により変形する、つまり人格が大きく動いたということ)だから原作中とギャップがあるのではないか+大組織のトップを勤めれば半年たらずでも人は大分雰囲気も変わるのではないか、ってことで1つ。しかしブチャラティは本当に良いリーダーだ。
過ちを認める勇気、自分を貫き通す勇気、どちらも勇気なのだが、しかしそのどちらが正しいのかは決めがたい。様々な状況があるだろうし、様々な違いがあるだろう。だからここで重要なのは勇気を出したからという満足などではなく、その結果、なにが失われていくことになるのか、それを見極められるようになることだろう。真実から出た誠は決して滅びないと言うが、しかし我々の日常はつねに何かが失われていく過程でもあるので、その中で滅びないものに付き合い続けるわけにもいかない。自分はどこに立っているのか、それを知らなければいけない。-上遠野浩平(あとがきより)