ピングドラムと酒鬼薔薇事件

ー「ここはどこ?」
 「ここはこどもブロイラーだよ」
 「こどもブロイラー?」
 「いらない子供たちが集められる場所」
 「いらない…じゃあ僕は…お母さんに…」
 「ココで僕らは透明な存在になって やがて世界から消えて失くなるんだ」

281 名前:風の谷の名無しさん@実況は実況板で 投稿日:2011/11/11(金) 02:53:14.83 ID:f58pG1bD0
透明な存在というと
酒鬼薔薇を思い出すな……

345 名前:風の谷の名無しさん@実況は実況板で 投稿日:2011/11/11(金) 03:00:48.63 ID:f58pG1bD0
やっぱこの犯行声明が思い出されるわ
     ↓
ボクがわざわざ世間の注目を集めたのは、今までも、
そしてこれからも透明な存在であり続けるボクを、
せめてあなた達の空想の中でだけでも
実在の人間として認めて頂きたいのである。それと同時に、
透明な存在であるボクを造り出した義務教育と、
義務教育を生み出した社会への復讐も忘れてはいない
だが単に復讐するだけなら、今まで背負っていた
重荷を下ろすだけで、何も得ることができない
そこでぼくは、世界でただ一人
ぼくと同じ透明な存在である友人に相談してみたのである。
すると彼は、「みじめでなく価値ある復讐をしたいのであれば、
君の趣味でもあり存在理由でもありまた目的でもある
殺人を交えて復讐をゲームとして楽しみ、君の趣味を
殺人から復讐へと変えていけばいいのですよ、
そうすれば得るものも失うものもなく、
それ以上でもなければそれ以下でもない
君だけの新しい世界を作っていけると思いますよ。」
その言葉につき動かされるようにして
ボクは今回の殺人ゲームを開始した。
引用元:[http://blog.livedoor.jp/peperon999/archives/4828641.html:title]

 「オウム事件」と「酒鬼薔薇事件」を連想させるようにリードしてますが、やっぱり凄いなピングドラム。
 歴史に大きな傷跡を遺した事件に巻き込まれた子供たち(成人してようと多蕗とゆりも精神は子供のまま)が「きっと何者にもなれないお前たち」と称されてますが、作品としては何者にもなれない子供たち以外の人々が棒人間(何者にもなれてないデザイン)なのが気になるところ。『エヴァンゲリオン』は90年代という時代に苦しめられた張本人(監督)が泥沼を抱えながら描いた作品ですが、『ピングドラム』は「90年代の落とし子である子供たち」の運命を描く寓話という感じ。愛も罰も等しく与えられるところが非常に寓話的だ。

  ー「怖くはありません、誰が誰だかわからなく、透明な存在になるだけです」

 冒頭のモネ「日傘の女性、モネ夫人と息子」をモチーフにした演出は唸るものがある。